「すみませんサンジュ。ディクリド様は開会の挨拶の準備中でして、しばらくは会うことができないんです。それでですね……せっかくの宴だし、よかったらふたりとも着替えませんか? 城の衣装部屋でドレスを貸してもらえると思いますから」
「え、でも……」
私たちだけ特別扱いをしてもらうのもと辞退する前に、リラフェンが大きく手を上げて主張してくれた。
「はいっ、着たい! だってこんな機会なかなかないと思うもの、断っちゃ損よ! サンジュ、一緒に精一杯おめかししよう?」
そんなきらきらした瞳で言われたら、私は嫌とは言えない。それに、リラフェンの着飾った姿をフィトロさんに見せて上げられるチャンスなのだ。私のせいでリラフェンまで気兼ねさせて宴を楽しめなくなっては元も子もない。それに私も、伯爵家に納められているドレスがどんなものなのか、興味はあるし。
「それじゃ、我儘を言うようで申し訳ないですけど、お願いします」
リラフェンと一緒に並んで頭を下げると、フィトロさんは目じりを下げた。
「ふふ……もちろん。しかしなんだかすっかり、君がリラフェンのお姉さんみたいになりましたね。ここに来た頃にはこの子に引っ張られてばかりだったのに」
「え、でも……」
私たちだけ特別扱いをしてもらうのもと辞退する前に、リラフェンが大きく手を上げて主張してくれた。
「はいっ、着たい! だってこんな機会なかなかないと思うもの、断っちゃ損よ! サンジュ、一緒に精一杯おめかししよう?」
そんなきらきらした瞳で言われたら、私は嫌とは言えない。それに、リラフェンの着飾った姿をフィトロさんに見せて上げられるチャンスなのだ。私のせいでリラフェンまで気兼ねさせて宴を楽しめなくなっては元も子もない。それに私も、伯爵家に納められているドレスがどんなものなのか、興味はあるし。
「それじゃ、我儘を言うようで申し訳ないですけど、お願いします」
リラフェンと一緒に並んで頭を下げると、フィトロさんは目じりを下げた。
「ふふ……もちろん。しかしなんだかすっかり、君がリラフェンのお姉さんみたいになりましたね。ここに来た頃にはこの子に引っ張られてばかりだったのに」



