「ありがたいことじゃ……。いずれはわしも槌を振るえなくなる時が来るじゃろうが、この想いだけは未来を志す者たちに伝えていきたいのう。信頼する者たちの望みに答えて形作ったものが、多くの人々に寄り添い、日々の営みを生み出してゆく。想像すれば、なんと胸の躍ることかの」
「ええ……」
片付けを終えた私はオルジさんと並ぶと、お店の中の魔導具たちが、いつか誰かの手に取られ、様々な場所で役に立っているところを想像する。私たち作り手にとって、それは至福のひと時だ。
「おーい爺ちゃん、納品終わったよ」
「おお、ご苦労じゃったな。では我々も向かうとするかの。おふたりさんや、現地で会ったならよろしくの。ああ……それと」
「はい?」
オルジさんはちらりとルシルさんの方を見やった後、言い淀んで首を振った。
「いや、なんでもない。今年もどうかよろしくお願いいたしますぞ」
「変な爺ちゃん。まあいいや、サンジュさんもリラフェンも、これからも仲良くしてね!」
「ええ……」
片付けを終えた私はオルジさんと並ぶと、お店の中の魔導具たちが、いつか誰かの手に取られ、様々な場所で役に立っているところを想像する。私たち作り手にとって、それは至福のひと時だ。
「おーい爺ちゃん、納品終わったよ」
「おお、ご苦労じゃったな。では我々も向かうとするかの。おふたりさんや、現地で会ったならよろしくの。ああ……それと」
「はい?」
オルジさんはちらりとルシルさんの方を見やった後、言い淀んで首を振った。
「いや、なんでもない。今年もどうかよろしくお願いいたしますぞ」
「変な爺ちゃん。まあいいや、サンジュさんもリラフェンも、これからも仲良くしてね!」



