(ふははは……すべての風が俺の背中を押してんだよなぁ。これも父上のチンケな魔術と、あいつの才能のおかげだ。連れ戻したら存分に可愛がってやる……。あの時の続きを教えてやるから楽しみにしてろぉ、サンジュ)
昂ったザドはあの時妹にしたように、片側の女をソファの背に押し付ける。その瞳の奥底に灯る残虐な意思に女が身震いした時だった。
ノックの乾いた音が行為の邪魔をしてザドは舌打ちし、女がその腕から逃れる。
「何用だ!」
強い苛立ちを見せるザドに、おそるおそる使用人が来客を報じる。
「し、失礼いたします! 出入りの商人が、ザド様にお知らせしたいことがあると……!」
「――通せっ!」
ザドは先程とは打って変わって喜色を浮かべた。広く張っておいた網に獲物が掛かってきたことを予感する。
昂ったザドはあの時妹にしたように、片側の女をソファの背に押し付ける。その瞳の奥底に灯る残虐な意思に女が身震いした時だった。
ノックの乾いた音が行為の邪魔をしてザドは舌打ちし、女がその腕から逃れる。
「何用だ!」
強い苛立ちを見せるザドに、おそるおそる使用人が来客を報じる。
「し、失礼いたします! 出入りの商人が、ザド様にお知らせしたいことがあると……!」
「――通せっ!」
ザドは先程とは打って変わって喜色を浮かべた。広く張っておいた網に獲物が掛かってきたことを予感する。



