主力のこの四商品は、生活の役に立ちそうなものを選んだつもりだ。
特に、この地方では小麦の生産が盛んだと聞いている。秋播きの小麦は今頃から種を蒔き、翌年の夏ごろに収穫するというから、畑を楽に耕せる地割のフースなんかは、どんどん売れて行ってもおかしくはないのに……。
とにかく、こうして手をこまねいているわけにもいかない。このお店を開くために、リラフェンも私も手持ちのお金をずいぶん使ってしまった。売り上げの見通しが立たなければ、その内明日の食事にも困ることになる。挙句の果てにこのお店まで手放すことにでもなったりしたら、ディクリド様にも申し訳が立たないし……。
「リラフェン、私……ちょっと出てくるわ。お店を見ておいて」
「ええっ!? サンジュ、ちょっとどこ行くのよ!」
――これらが実際にどんなものかを皆に知ってもらわなければ始まらない。
私は適当な鞄に主力商品たち詰め込むと、心細そうな悲鳴を上げるリラフェンを残し、店を出ようとする。そこで丁度お店に入ってこようとするひとりの人物と鉢合わせた。
「これは……どうやら悪い想像が当たってしまったみたいだね」
「フィトロさん……?」
特に、この地方では小麦の生産が盛んだと聞いている。秋播きの小麦は今頃から種を蒔き、翌年の夏ごろに収穫するというから、畑を楽に耕せる地割のフースなんかは、どんどん売れて行ってもおかしくはないのに……。
とにかく、こうして手をこまねいているわけにもいかない。このお店を開くために、リラフェンも私も手持ちのお金をずいぶん使ってしまった。売り上げの見通しが立たなければ、その内明日の食事にも困ることになる。挙句の果てにこのお店まで手放すことにでもなったりしたら、ディクリド様にも申し訳が立たないし……。
「リラフェン、私……ちょっと出てくるわ。お店を見ておいて」
「ええっ!? サンジュ、ちょっとどこ行くのよ!」
――これらが実際にどんなものかを皆に知ってもらわなければ始まらない。
私は適当な鞄に主力商品たち詰め込むと、心細そうな悲鳴を上げるリラフェンを残し、店を出ようとする。そこで丁度お店に入ってこようとするひとりの人物と鉢合わせた。
「これは……どうやら悪い想像が当たってしまったみたいだね」
「フィトロさん……?」



