一階は大半が店舗に使うスペースとして、残りは商品の保管用倉庫と魔導具を作成したりといった裏作業スペースなどに充てるとして……二階と三階が私たちの生活区域になる。検討した結果、リラフェンの「あたし、高いところが苦手なのよね」という言葉を決め手として、彼女は二階の一室を、私は三階の屋根裏をまるっと使用させてもらうことになった。他にも、二階には大きなリビングとキッチンも設けられ、生活するのに支障はない。
基本的に自分の部屋は自分で片付け、共用の部分は手分けして管理しようと簡単な取り決めを交わし、荷物を開く前に街に家具を見に行こうと相談していたところ……また玄関がノックされた。
昨日のことが記憶に新しく、不思議に思いながら私たちが戸口に立つと、そこには大きな幌付きの馬車がずらりと立ち並んでいる。
「な、なんなの一体!?」
リラフェンが動揺しながら、御者台から降りてきた男性に尋ねると……。
「こちら、ハーメルシーズ城の城主様からのお届け物でして。必要のない物は持ち帰りますので、ご覧になって使いたいものがあれば私共にご遠慮なくお申し出ください」
基本的に自分の部屋は自分で片付け、共用の部分は手分けして管理しようと簡単な取り決めを交わし、荷物を開く前に街に家具を見に行こうと相談していたところ……また玄関がノックされた。
昨日のことが記憶に新しく、不思議に思いながら私たちが戸口に立つと、そこには大きな幌付きの馬車がずらりと立ち並んでいる。
「な、なんなの一体!?」
リラフェンが動揺しながら、御者台から降りてきた男性に尋ねると……。
「こちら、ハーメルシーズ城の城主様からのお届け物でして。必要のない物は持ち帰りますので、ご覧になって使いたいものがあれば私共にご遠慮なくお申し出ください」



