「本当よかった〜」
今にも泣き出しそうな声をしながら後ろから芽沙が抱きついてくる。
「っとと、なんとかなってよかったよー」
勢いがありすぎて若干体制を崩しながらもなんとか持ち直す。
「ごめんね、私がちゃんと追い払えなくて……」
シュンッとしながら眉の端を下げ身を縮めた先輩が私の前にいつの間にかいた。
「いえいえっ最初に先輩が言ってくれなかったらどうなっていた事やら、私は先輩にお礼を言わなくてはいけない立場ですよ」
「本当?そう言ってもらえるだけで気が楽だよ……」
萎れていた先輩は少し機嫌が戻ったのかにっこりと笑みを浮かべた。
「そういえば海斗は?」
確かに……
秋君と会長との姿は見えるのに、火野さんの姿は見当たらなかった。
「あれっさっきまでいたんだけど……」
周りをキョロキョロと見渡しながら会長は困ったように首を傾げる。
「あれっお前達何してんだ?」
みんなで探そうかと言っているとひょっこりとどこからか火野さんが出てきた。
「あっ海斗!どうしてたの?さっきまで」
すぐさま先輩は火野さんに駆け寄りそう尋ねる。
「いやっなんか2人がめっちゃ走って行くから追いつけなくて」
「俺達爆走したからな、特に柚弦が」
名指しをされうぐっと苦虫を噛み潰したような顔をした。



