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最初は、興味なんてなかった。
むしろ、心底疎ましかった。
俺の中で、女なんていう生き物は、顔が良ければ媚びを売る、金があれば集ってくる、そのくせ邪険にされたらすぐキレる。
まるで虫のような生き物だと思っていた。
そいつを…如月初歌を初めて見たときは、地味な女という感想しか抱かなかった。
桃色のボブ、栗色の目、死ぬほどでかくて分厚いメガネ…。
自己紹介もオドオドして声も小さいし、ビビリでこちらを見ては怯えてばかり。
ずっとビクビクしていて、その様子にイライラして睨めばそのでかい栗色の瞳と目が合う。
まあ、良かったのは、媚を売ってくるような、不快な女じゃなかったってことだろう。