祈るように手を合わせて、時が過ぎ去るのを待つ。 そして足音が数人分遠ざかり、耳を壊すほどだった打撃音が静かになる。 もういない、かな…? 私はそっと周りを確認すると、隠れていた教室を飛び出して、声のしていた教室にすべり込む。 そして、そこには殴られていた人がいた。 綺麗な赤い目が、驚いたように私を見ている。 「え…」 「………」 そこにいたのは、赤星さんだった。