いつの間にか、こんなにもいそがしかった自分の心の支えとなっていた初歌のことを思い浮かべている自分には、苦笑いしかできない。 馬鹿らしい。 世の中に、「一目惚れ」という言葉があることは知っている。 しかし、それが俺に当てはまることは絶対にないのだ。 俺は恋とは無縁の孤高かつ最強の「朱華」総長。 そんな肩書を持つ人間が、初歌に、一目惚れ、恋…。 …ありえない。そう言いたい。 だが、この想像を鼻で笑うことは…どうしてもできなかった。 …まさか、本当に…?