総長様は溺愛も暴走する




『彼氏じゃない、片思いでもない…婚約者⁉』



お姉ちゃんの言葉の背後に、なにかガラス製のものが割れた音がする。

お、お父さん…。お姉ちゃん…。




「婚約者じゃないよ…。お姉ちゃん、私は恋愛なんてしないだろうし…」

『恋愛じゃないことには安心したけど、初歌、あんたはもう少し自分の美貌を自覚しなさい』

「びぼう…?わかった、辞書で引いてみるね!」

『ああ、これだから初歌、あんたって子は…』




どこか呆れたようなお姉ちゃんの声。

何なんだろう…?




「あ、そうだ、お姉ちゃん」

『なぁに?』

「前、話したでしょう?幼馴染のこと」

『ああ、“ユートくん”って子?』

「その子とね、また会ったの!」