過去夢の少女

☆☆☆

河村結夏がいつまで経っても教室に戻ってこなくても誰も疑問に感じていなさそうだった。

特に女子生徒たちの反応は冷ややかで、体育の授業であれほど攻撃したのに関わらずすっかり忘れてしまったかのように振る舞っている。

恵と一緒に昼ごはんを食べ終えたあと、私はノートを取り出して一枚ちぎった。
それは前に恵がやったようなことと同じことだったけれど、そこに書きつける内容は大きく違う。

細いペンで、わざと左手で文字を書いていく。
その内容を覗き見た恵がこちらを見てほくそ笑むのがわかった。

「それ、誰の机に入れておくの?」
「飯田の机だよ」
私は小声で答えて、体育館倉庫の鍵と手紙を一緒に飯田の机の中に入れたのだった。