私は1度『お母さん』と呼んでみた。
するとお母さんは手を止めて振り向いたのだ。
なにも見えていないはずなのに、なにかを探すように周囲を伺っている。
『お母さん、私だよ』
もう1度声をかけるけれど、もうお母さんは振り返らなかった。
やっぱり、私の声が聞こえていたわけじゃなくて、誰もいないことを確認するために振り向いただけみたいだ。
半分ガッカリしながらもお母さんの動向を見つめる。
部屋の中に侵入したお母さんは眠っている河村浩司の顔を横からジッと見つめた。
そして両手で包丁を握りしめると、天高く振り上げた。
それを振り下ろす瞬間のお母さんの顔はまるで鬼そのものだった。
一突き目で河村浩司が目を開けた。
事態を把握する前にふた突き、3突きと布団の上から包丁が突き立てられる。
布団が邪魔をしているかと思ったが、それがジワリと血の色に染まってきたとき、包丁の刃がしっかりと相手の体に突き立てられていることがわかった。
『お前は……誰だ』
するとお母さんは手を止めて振り向いたのだ。
なにも見えていないはずなのに、なにかを探すように周囲を伺っている。
『お母さん、私だよ』
もう1度声をかけるけれど、もうお母さんは振り返らなかった。
やっぱり、私の声が聞こえていたわけじゃなくて、誰もいないことを確認するために振り向いただけみたいだ。
半分ガッカリしながらもお母さんの動向を見つめる。
部屋の中に侵入したお母さんは眠っている河村浩司の顔を横からジッと見つめた。
そして両手で包丁を握りしめると、天高く振り上げた。
それを振り下ろす瞬間のお母さんの顔はまるで鬼そのものだった。
一突き目で河村浩司が目を開けた。
事態を把握する前にふた突き、3突きと布団の上から包丁が突き立てられる。
布団が邪魔をしているかと思ったが、それがジワリと血の色に染まってきたとき、包丁の刃がしっかりと相手の体に突き立てられていることがわかった。
『お前は……誰だ』



