「兄様の代わりに身を挺して守ったのか…お前はバカじゃないのか。」
アレックス様はブラックス様に向かって叫ぶような大きな声をあげた。
「ブラックス!お前はなんという事をしたんだ。馬鹿なのはお前だ!」
アレックス様が私を抱いて心配してくれている。
もうこれで私は死んでしまうかも知れないけど、国を二分させるような大騒ぎにならなくて良かった。
どうせ死ぬなら、何か役に立ててよかった。
ジュリアはその場で意識を失った。
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真っ暗な闇の中、寒くて何も見えない。
ここはどこだろう…
遠くに明るい光が見える。
私は光に向かって歩いた。
すると、誰かが私の名を呼んでいる。
そして手を伸ばすと、その手は私を温かい場所へと連れてってくれた。
「ジュリア…ジュリア…大丈夫か…」
私は声に呼ばれてゆっくり重い瞼を開けた。
眩しい光が目に飛び込んでくる。
そして、心配そうなアレックス様の顔が見えて来た。
「ア…アレックス…アレックス様…私は助かったのですか?」
「ジュリア!気づいたのか?良かった…本当に良かった。」
すると、横から女性の声も聞こえて来た。
「ジュリア…目が覚めたのね…心配したわ…よかった。」
その声はリリーの声だった。
リリーは目を真っ赤にして泣いていたようだった。
「リリー心配かけてごめんね。」
どうやら私はナイフで刺された後、一晩気を失っていた様だ。
その時私は自分を刺したブラックス様を思い出した。
「あの…ブラックス様は…どうなったのでしょうか。」
するとアレックス様が私を握った手に力を入れて話し始めた。
「ブラックスは君を刺したところを護衛騎士たちに見られていたために、その場で取り押さえられたんだ。そしてイザベル親子の企みも全て白状したんだよ。そのためブラックスもイザベル親子も国外に追放となったよ。もう二度とこの国には戻れないだろうな。」



