ルイス先生がお教室から出て行くと、イザベルはジュリアに近づいて来た。
イザベルはとても不機嫌そうな顔をしている。
「ジュリアさん、ルイス先生が少しお話になってくれたくらいで、いい気にならない事ね。先生は皆に優しいの。それに先生は王族の中でも王位後継順位が5位の方なのよ。下っ端の王族婚約者が気安く話せない方なの。覚えておくことね。」
イザベルの話を聞いて分かったことは、ルイス先生はアレックス様と腐れ縁と言っていたけれど、恐らく後継順位5位ということは従兄くらいの方なのだろう。もちろんアレックス様は王太子なので後継順位1位だ。
「イザベルさん…気を付けるようにしますわ。」
そして2限目の授業は所作、マナー、美しい所作の時間だった。
転生前の私はマナーなど全く知らなかったが、ジュリアはこの体でマナー、作法を憶えているようだ。
歩き方、挨拶の仕方、テーブルマナーすべて完璧に体が動く。
ジュリア嬢はお嬢様教育を幼少期からしっかりされていたのだろう。
作法の先生は少し年配の女性でシュルツ先生だ。
先生はキッチリと髪をシニヨンに結んだブラウンの髪だった。
少し痩せ気味で、厳しい表情を一切崩さない女性だ。
皆が先生から注意を受ける中、ジュリアは言われた課題を順調にこなしていく。
「ジュリアさん、貴女は一通の所作は出来ているわね。でも気を抜かないように。」
「はい。」
リリーやイザベル、皆が歩き方の所作に苦戦している。
しかし。シュルツ先生は出来るまで許してくれない。超スパルタ指導だ。
転生前の世界ではファッションモデルがランウェイを歩く厳しいレッスンを受けるそうだがそんな感じだ。
やっと授業が終了した時、へとへとになったリリーがジュリアに声を掛けた。
「ジュリア、凄いね!私もうへとへとで足が痛いわ。」



