双子の「無能な方」だから生贄にされたはずが、竜族の花嫁として迎えられました

 朝の光がカーテンの隙間から射し込んでくるのを見て、シェイラはまぶしさに目を細めながら身体を起こした。

 一人のベッドは冷たくて寂しくて、シェイラは一睡もすることができなかった。時折眠気が襲ってきても、いつも隣にあったイーヴのぬくもりを探して無意識に手が動いてしまい、目が覚める。

 目を開けるたびに隣に彼がいないことを自覚して、涙があふれる。泣き続けたせいで目は腫れているし、きっと酷い顔をしている。

 テーブルの上にあるトレイに目をやって、シェイラはため息をついた。イーヴの持ってきてくれたスープは、すっかり冷え切ってしまっている。

 心配して持ってきてくれたイーヴにも、作ってくれたアルバンにも、申し訳ないことをしてしまった。

 片付けようとトレイに手を伸ばしたところで、エルフェが起こしに来た。