自分の命より、あの子の笑顔の方が、大切。
最近、笑顔を見れてないことが…悔しかった。
その理由は…こいつにある。
「ふっざけないで…!」
「…ふざけてない!」
「言い返さないでよ…‼︎ だって! あの子はあんたのせいでっ…‼︎ あんたが笑ってると、怒ってると、感情を剥き出しにしてると、イライラすんの‼︎」
「……うるさいっ‼︎‼︎‼︎」
ーブワッ
「はっ⁉︎」
周りの雲が一瞬にして火がついていた。
ごおごお燃え盛る雲。
雲って燃えるの…?
「私にブーイングすんなっ! 私は…仕事でやってるの‼︎ やりたくてやってるわけじゃない‼︎ 勝手にキレんな! キレんなら…神様にキレろ! キレたら…死ぬだろうけどね!」
私の足元近くの雲が、燃えそうになっている。
「…はっ、別にいい、死んでも」
乾いた笑いをこぼして、天使を睨む。
「だって夢でしょ? 夢で死んでも起きるだけ、別にいい」
「そう? 今死んだらすぐに地獄に連れてってくれるよ、悪魔が」
「悪魔の方が性格いいね」
「…死にたい? そんなに」
私の足元の雲がぼおっと音を立て始める。
目の前が、赤色に見える。
目の前にいる天使は…すごく、辛そうな顔をしていた。
なんで、あんたが…。
「言っとくけどね、あんたがそんな顔しても、謝らないから!」
天使の顔が、炎に包まれ赤く見える。
きっと、それは私もなんだろう。
「だって、今死んでもどうでもいい。 勝手にしなよ、私なんて」
「へぇ。嫌がらないんだ」
天使が目を見開いたら、一瞬で火が全て消えた。
「嫌がって、苦しまないなら…意味ないな」
「ふうん、あんたは何を言えば一番効くかな?」
私は、“あの子”のためなら…どんなことだって、やる。
サイコパス天使なんて、言っていられない。
だって…それは、私もだから。



