どんな君でも、溺愛します。





ハッと、目が覚めた。




「朝か…」




夢の内容は覚えている。




どうやら、私は感情を失くしているらしい。




ただ、失くした今、感情っていうものを理解するのは難しそうだ。



そもそも、覚えてないもんなー…。




一階におりると、お母さんとお父さんが起きていた。





「おはよう」




「おはよう実紀!」




洗面所に行って、鏡を覗いた。いつも通りの顔だ。



ちらりとお母さんを見た。私とどこが違うのかな…。




…ん?




お母さん…、なんか…私と違う…?



お母さんは、口角が上がっている。




ん? どうしたらそんな顔に…?




私も鏡を見て試してみる。



…全然なんない…。




ど、どうやったらなるのっ…?



「どうしたの? 朝ごはんできてるわよ」