「いっつもヘラヘラヘラヘラしてさぁ…! あの子だけには手出すなって、話すなって、あの子が死ぬまで会うなって! 私はッ…」
「…」
「私はどうなってもいいからって…‼︎」
目の前にいる天使に向かって、罵声を浴びせ続ける。
「あんただって、『わかった〜』って言ってたじゃん! 全然わかってない…!」
ヘラヘラして、本心なのか、本当なのかわかんない。
今までは、普通に“専属天使”として、いてくれた方が何かと楽だったのに。
今では、“あの子”に何して、何吹き込んで、何をやらかすか、気が気でない。
「私は!」
「…」
「あの子を傷つけんのだけは、絶対許せない…‼︎」
天使の胸ぐらを掴んだ。
ガラ悪いとか、暴力反対とか、そんなことを考えている余裕があるならば、一発でも多くこの天使を殴りたかった。
「私のなんだから! 私の親友なんだから! 親友だから…っ」
そう…私は…親友なんだから。
「親友を、守るなんて…当たり前でしょう⁉︎」
傷つける人がいたら、片っ端から排除していく。
「あの子、普通の子より傷つきやすい。きっと、今置かれている場所に気づいたら、きっと深く傷つく!」
ううん。きっと…もう置かれてる状態に気づいて、深く傷ついているだろう。
「そんなこと言ったって…。同じような人は…七万人もいるよ? だって…その身内の人は…キミと同じ反応をしてる」
ようやく反応したか…無反応がやなんだよな…。
「…うざい。他の人なんてどうでもいい! 私は…だって、あの子が好きなんだもん…あんたのこと…絶対許さない‼︎」
思いっきり、怒鳴りつけた。
本当に…私は…。
「何したの?」
「え?」
「いや…何をしたかはもうわかってる。どんなにいい嘘をついてくれたのか、気になって〜」
皮肉の笑みを浮かべて、天使を嘲笑う。
「…っ」
すっごく悔しそうな顔をして、私を睨んできた天使。
見たことない表情…。
「何? 私の友達にあんなことやっておいて、キレてんの?」
もう、今夜はこいつのことを罵倒してやろう。
口悪いとか…関係ないもん。
“あの子”のためなら…私は、悪者にでもなってやる。



