どんな君でも、溺愛します。




そうして…倉くんは、屋上で話した時と同じような、何かに燃えた瞳で、話していた人たちを睨む。



「うざい。黙っとけ」


「そ、倉…くん…⁉︎」

「桜井様…⁉︎」


話していた子たちは顔を真っ青にしている。


ふんっと鼻を鳴らしてもう一度睨みつけた倉くんはまたドスっと椅子に座った。


「え…桜井くん…?」


「秋葉…」


秋葉は目を見開いて、倉くんを見ていた。


「実紀と…名前で、呼び始めたんだ…」

「そうだね」


「秋葉〜‼︎」


私は何だか耐えきれず、秋葉に抱きついた。


「ちょっと実紀っ、痛いっ」


「あははっ」


なんとなく…何もしていないのに。


私はずっと疑問に思ってた…みんながよく言う、「えがお」をしていた。


いいところと言えないところで先生がやってくる。

って…私、何だか…口角を上げてた…? どう、して…?


「お前、戻ってきてる」


「え?」


「感情」


「えっ?」


「笑ってた」


「笑、い…?」


こそこそと話してきた倉くんは、衝撃的なことを口にした


え…じゃあ、私、またあのサイコパス天使に感情をリセットされなきゃ行けないの…?


「〜〜〜っ」


あれは、何だか自分の本能が、全身が、あれを拒絶する。


感情を取り戻したと思うと、天国へいけそうになる。

でも、消されて、また地獄へ突き落とされると、わかっているからだろう。

「…………………………」

黙り込んだ私を、倉くんが覗き込んでくる。


「え? まさか嫌系?」


「い、や?」

「あ〜ごめんごめん笑〜」


…………何………。

「ま、屋上行く?」

「なっ…」


これ以上サボるわけにはっ…。


「待って」


バシッと繋がれた手が離れていく。

「秋葉?」



「勝手に実紀を連れてかないで」


すごい圧の…秋葉。


私も一歩後ずさるような圧で、倉くんを睨みつけまくっている。