「えっ…」 「あっ、こら、おい桜井!」 桜井くんは、いとも簡単に、私を教室から連れ立ってしまった。 廊下を、階段を、走り抜けながら、校則違反なのに注意ができない。 桜井くんが今日来た時みたいに、何だか胸がざわざわして落ち着かなかった。