「へ、へー…?」
つ、伝えたいこと? 普通、そういうの神様がやるんじゃない?
天使に頼むなよ神様…。
「あはは、神様も忙しいんだよ」
…って、考えてることバレバレ⁉︎
さすが天使…としか言いようがない。
「で、伝えたいことって?」
「ああ、前置きが長くなってしまったな」
「そうだね…あとちょっとで実紀ちゃんは起きる時間だもん」
腕時計をチラリと見た女の人の天使。
「単刀直入に言おうかな…実紀ちゃんは、死ぬか、生きるかどっちを選ぶ?」
「はい?」
生きるか…死ぬか⁉︎
「そ、そりゃ生きたいけど…?」
「そうだよねっ。じゃあ、その選択肢に条件が追加されたら?」
「条件?」
なにそれ…?
「そう。生きれるけど…実紀ちゃんの感情が、なくなるっていうのは?」
感情、が…失くなる?
「何、言ってんの?」
「悲しい、楽しい、驚き…それらが消えるってこと。思い出も、誰がこんな事した、っていう事実だけになるんだ〜。疑問と暑い寒いは、流石に見逃すよ〜」
…はい?
「何で私がそんなことしなきゃいけないの?」
「君は、本当は今日死ぬ運命だったんだ」
私が、死ぬ、運命…?
「君は今日死ぬって決まっていた。でもね…君の親族…と言うか、君をよく知る人が反対したんだ。まだ元気なのに、もっと長生きしてほしい、どうしてって」



