「…よし。
秋葉、ありがと」
「どういたしまして」
「ご馳走様。じゃあね」
階段に出て、教室に戻る。
廊下を歩いている間に、はたと気が付いた。
…私、ありがと、なんて言った?
ありがとって何?
わからないのに、なんで私はおはようを言うくらいするすると言ったんだろうか。
そこまで、私はよく言っていたんだろうか。
口癖だったのかな…。
記憶を呼び起こしてみると、確かに昔の私は口角を上げていっている。
ただ、それはありがと、ではなくて、「ありがとう」だった。
ありがとうが、正確な言葉なのかな…。
メニュー