そのくらいで、そんな自由気ままな学校に、進学校だからって受験しちゃダメだったな…と口にしたのを覚えている。
…ま、勿論ダメ、っていう意味なんてわかんないけど。
いつもは私が作っていたけれど、今日は時間がないのと、感情がなさそうだからと、お母さんが作ってくれたお弁当。
屋上へ向かう階段に足を乗せる。
登っていくと、私の足音が静かすぎる空間に大きく響いて、宙に溶けていく。
それが、妙に私の今の何事にも無関心な気持ちによく合っていて、疲れた体がほぐされたような感覚になった。
あれから秋葉からはちゃんと返事の手紙が来て、今日登校すると私の机の中にあった。
〈おっけ〉
至ってシンプルだった。
長文を想像していた私は、ずっこけそうになった。
勿論、ずっこけたら「あいつ、関西人?」って言われるからずっこけないけど。
_タン、タン_
足音が、響く。
階段を登り切ると、誰かいないか後ろを見て確認する。



