ひとりだとややこしくなる…! 手を繋いでいるとはいえ、お母さんの足はまあまあ速い。引き離されたら、追いかけるのに疲れそうだ。 ** ** 私は椅子に座った。 前にはお医者さん、そして後ろの席にはお母さん。 「どういう状態ですか?」 お医者さんが聞いてきた。私は知らないよ…。どこがどう変わったのか。 私が無言でいると、お母さんが話し始めた。 「ずっと真顔なんです。痛いとも何にも言わなくて」 「何にもじゃないけど」 何だかややこしくなって、誤解されそうな言い方で、訂正した。