どんな君でも、溺愛します。






病院に向かう車で、私はぼそぼそと喋る…というか、独り言を言うお母さんをまがお、で眺めていた。





「治さなくちゃ…治さなくちゃ…治さなくちゃ…治さ…」





いつまで言うんだろう…?




窓の外を眺めていたら、すぐに病院に着いた。




「理由に心当たりはある⁉︎」




「…」





心当たりって言われてもねえ…。





感情を失くしたことは、口が裂けても言えない。





「さあね」





考えるようなポーズを取ると、お母さんがえがお、になる。





…うん?






「さ、行きましょう」





手を引っ張られて、左腕がピンっと伸びた。




「待ってっ」