どんな君でも、溺愛します。



習ってたってことなんだ…。



杖を取り出した天使が、そっと私の手を叩く。



ゴチっという鈍い音が響いて、じんっと手に痛みが広がる。




感情を失わないうちに、必死にできる限り考えた。




私は、一生これを繰り返さなきゃいけないんだろうか…。




そう思うと、やるせない、悲しい、辛い…色んな感情で埋め尽くされた。




それも、どんどん形を失くしていく。



痛みもなくなっていって…、やがて、そういうもののように、私の中に溶け消えた。







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目が覚めた。





…あの後、夢を見た。入学式の夢で、私は、一年前の私をじっと第三者として眺めていた。




そんな、夢だった。



私は、一年前は、えがお、を浮かべていた。




私は下に降りた。いつも通り、お母さんとお父さんがいる。




「おはよう」