そう思ったけど、何も言わずに外に出ていった秋葉。 何もないか…。 椅子にすとんと座る。 …あ、カーディガン、暑いし脱ごうかな…。 …ん? カサっと紙の音がして、ポケットから紙を取り出す。 あ…秋葉の字。 手紙、だ。 〈実紀へ 昼休み、屋上に集合。 鍵は先生からぶんとるから心配しないで〉 心配? ってなに? なんて読むんだっけ? ああ…おっけ…。 何も感じない。空っぽになったみたいだ。