「…」
秋葉が、言葉を飲み込んだ。
そして、そっと私の横を通り過ぎる。
「…ごめん」
小さな小さな、風の音にかき消されそうな声が、私の耳に届く。
…え?
そしてそのまま秋葉は私の後ろの、自分の席に着いた。
クラスメイトの視線がそっと外れた。
…ん?
秋葉が、紙に何か一生懸命書いている。
いつも彼女が何か書く時、色ペンや蛍光ペンを使うのに、今は使ってない。
そして、彼女は真顔? になっていた。
「よしっ」
また小さな声だったけど、前の席の私には聞こえた。
そして紙を持ったまま、まだ突っ立っている私の横を通った。
何か話しかけられるかな…。



