あ、閉まっちゃった。
まあ乗れたし。
朝の電車は混んでいて、いっぱい人が乗っていた。
ただ、いろんな車両を回ると、二つ空いている席があった。
す、座ろう!
すぐに座ると、近くにいた人が隣の席に座った。
外の景色を眺めてぼーっとしていると、急に誰かに肩を叩かれた。
「ねえ」
「はい」
叩いてきたのは、おばあさんだった。
「座らせてもらっていいかしら?」
「あ、いいですよ」
席を立つと、「ありがとね」とおばあさんが席に座る。
「足が疲れてねえ」
…疲れた? …何それ…。
今日は初めて聞く言葉ばかりだ。



