最後くらい、自分のことだけ考えて…。
ちょっとでも自己中の方がいい。
だって、他人、他人、他人だったら、きっと自分の心が折れてしまう。
でも、秋葉はあっさりそれを成し遂げた。
…敵わないな、秋葉には。
きっとこの生涯を遂げても、秋葉には敵わない。
「秋葉…、大好きだよ」
今なら、もう言えるよ。
悲しさが消えたわけじゃない。
秋葉のことを思ったら、もう最後くらい私のこと考えなくていいと、私も背中を押さなきゃいけないと思った。
親友として。
お墓を見ながら、私も泣きそうになる。
私の馬鹿。
自分のことばっかりで、秋葉のこと全然気付けなくて…。
だからさ、もう、秋葉。
もう、私のことばかり考えなくていいよ。秋葉のことだし、無理矢理幽霊になって実紀を見てたいとか天使にゴリ押しようとしてない?
私、大丈夫。
秋葉のこと、もちろん悲しい。でも…。
秋葉のこと、49日間のこと、全部背負って、生きてく。
秋葉も、ちょっとしばらくのんびりしてて?
あー実紀、何やってんのってちょっと慌てて、でものんびりして?
でも、その代わり約束。
私がお墓で語りかけたこと、できる限り心の中で応えてほしい。
それで、絶対私のこと、忘れないで。
秋葉だったら、もちろん! って言ってガッツポーズをするかな…。
さよなら、秋葉。
また、私がそっちにいくまで。
感情がない私を愛してくれた、倉くんと生きてくから。
感情がない私を親友って言ってくれた、秋葉はもうちょっと私のこと待ってて。
今度は、秋葉と倉くんが喧嘩してもいいから、絶対に私のことを忘れないでね?



