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裏庭についた。
「…で、何?」
「わ、私っ…」
声が裏返った。
…っ、恥ずかしい…!
そしたら、近くの茂みからぐっと親指を立てる手が出てきた。
…もう、秋葉ったら…。
「倉くん」
「ん?」
「私、倉くんのことが好きっ…」
静かな裏庭に、私の告白が響き渡った。
「…、は?」
「ま、前から、好きで…、私…」
ああダメだ。言いたいことは固まっているのに、頭が回らない。言葉にできない。
「付き合ってほしいとかは、言わないからっ…私の想いだけ、知っててほしい…!」
倉くんが、一瞬固まった後、ハッと乾いた笑みをこぼした。
やっぱり、笑われるよね…。
ー振られる。
私は、そのことを恐れて、私が傷つかないように、必死にまくし立てた。
「いやっ…もちろん、倉くんが秋葉のこと好きなのもわかってる。まだ諦めれないのもわかってるから…」
どんどん、俯いて行ってしまう。
「は?」
「え?」
バッと顔をあげると、驚愕した表情の倉くん。
もしかして…なんで諦めれないのわかってんの? って言ってる?
「…俺」
ぎゅっと思いっきり目を瞑った。
聞きたい、聞きたくない、聞きたい、聞きたくないっ…!
聞きたい‼︎
「俺も、好きだけど?」
「へっ?」
ぽろっと聞こえた声に、思いっきり目を開ける。
幻聴…?
「好きだけど。実紀のこと」
「…ごめん、もう一回、言ってもらってもいい?」
欲張りな私は、もう一度その言葉が聞きたかった。
「好き」
「〜っ!」
う、そ。
「いつ、から…?」
「だいぶ前から」
「じゃあ、なん、で…秋葉と、付き合ったの…?」
あの時は、秋葉への嫉妬と、友達を裏切りたくない思いで狂いそうだった。
「秋葉のこと、脅したって聞いたけど…」
「ああ、あれは」
軽く告げられる。悪気もなく。
「実紀のこと、聞き出そうとしたんだけど、あまりにも朱羽が嫌そうだったから、実紀が嫉妬してくれるか試したいって」
「え⁉︎」
そのために、秋葉を利用したの…?
「えっ…」
「実紀」
私が何か言おうとした時、秋葉の声が響き渡った。
「秋葉…」
「…朱羽⁉︎」
秋葉は、見たことがないくらい悲しい瞳をしていた。
どうして…?
「秋葉…」
「実紀、おめでと。ねえ、実紀…」
秋葉…?
何だか、感じたことのないくらいの違和感。
あの、ショッピングモールの屋上で抱いたものよりも漠然とした違和感。
「ちょっと、来れる?」
「え…? いい、けど…」
「俺は?」
「別にどっちでも。決めんの私じゃないんで」
倉くんが口を挟んだ途端急に機嫌が悪くなる秋葉。嫉妬してくれてるんだろうな…素直に嬉しい。
どこに行くんだろう…。
「…⁉︎」



