だから、ことある毎にこちらの国に来て静養するようにと伝えていたのだ。私にとってもチェーザレは家族だから、ジェレミアに向けるような気持ちは一切持っていない。
「そこまで言い切られると悲しいが、それは事実だ。ウィスタリアの王太子、俺とミレイユには君が疑うような過去はない」
離れた位置で苦笑したチェーザレにようやく納得することが来たのか、ジェレミアは泣きながら微笑んだ。
「ミレイユが俺のことを好きで居てくれるなら、なんでも良いよ。もう……」
そう言って私を久しぶりに抱きしめたので、私は彼の背中を叩いてあげた。
「ごめんなさい……誤解させて、苦しい思いをさせて……」
今では二人とも大きな勘違いをしていたってわかるけれど、今までずっとジェレミアは辛かったと思うと、私だって辛い。
「それは、もう良いから……婚約破棄を言い出せば、流石に何か言ってくれるかなって思ったけど、ミレイユに断罪されるなんて、思わなかったよ」
「ごめんなさい」
私たちはそのまましばし抱き合って、やがて周囲から聞こえて来た拍手で顔を上げることになるのでした。
Fin
「そこまで言い切られると悲しいが、それは事実だ。ウィスタリアの王太子、俺とミレイユには君が疑うような過去はない」
離れた位置で苦笑したチェーザレにようやく納得することが来たのか、ジェレミアは泣きながら微笑んだ。
「ミレイユが俺のことを好きで居てくれるなら、なんでも良いよ。もう……」
そう言って私を久しぶりに抱きしめたので、私は彼の背中を叩いてあげた。
「ごめんなさい……誤解させて、苦しい思いをさせて……」
今では二人とも大きな勘違いをしていたってわかるけれど、今までずっとジェレミアは辛かったと思うと、私だって辛い。
「それは、もう良いから……婚約破棄を言い出せば、流石に何か言ってくれるかなって思ったけど、ミレイユに断罪されるなんて、思わなかったよ」
「ごめんなさい」
私たちはそのまましばし抱き合って、やがて周囲から聞こえて来た拍手で顔を上げることになるのでした。
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