キミのために一生分の恋を歌う -first stage-

その後諏訪野さんと処置室まで一緒に行くと、そこで一旦分かれた。諏訪野さんは一緒にいてあげると言ってくれたが、仕事がもうすぐ始まると思ったし、これ以上迷惑をかけたくなかった。

「ちゃんとネブライザーして、その後血液検査にまわってね。最後、僕の診察室から呼ぶからまた来て」
「分かりました。諏訪野さんもお仕事頑張ってください」
「うん。ありがとう」

処置室に入ってネブライザーを受けていると、カーテンがざっと開いて顔見知りの看護師さんのゆかさんが現れた。

「小夏ちゃん、体調どう?」
「あ、ゆかさん。大分良くなってきた気がします。でもなんでゆかさんがここに?」
「さっき諏訪野先生から小夏ちゃんのところに居てもらえないかと言われてね」
「本当に心配症だなあ」
「また逃げちゃうと思われてるのかも」
「この間の話を聞いたんですね。でも私は基本的には真面目なんですけど」
「じゃあ逃げたのは全部諏訪野先生のせいだと」
「そうそう。ゆかさんも知ってるでしょ。だからそういうことにしておいてください」

ネブライザーが終わったところで、今度は血液検査の部屋にゆかさんと一緒に移動する。
移動中も何でもない話をしてリラックスさせてくれる。
その他にあの時諏訪野さんは言わなかったけれど、呼吸機能の検査やレントゲンも一緒に行くことになり、検査だけでもうお腹いっぱいになりそうだった。

「これで検査の結果が悪かったら嫌だなぁ」
「私としては小夏ちゃんが来てくれると楽しくていいけど」
「ゆかさん、本音を漏らしすぎです」
「ええ〜小さい頃からずっと勝手知ったる仲じゃないの。まぁまぁ、諏訪野先生なら悪いようにはしないわよ。一度診察室の方に戻るよ〜」
「はーい」

外来へ戻ると、先にゆかさんは裏へ戻っていき私は待合室の椅子でしばらく待っていた。