諏訪野さんと手を繋いで歩くと代々木公園近くの駐車場へ着いた。目の前には昨日乗った諏訪野さんの車があった。
「諏訪野さん、歩いてきたんじゃないんですか」
「いつもはそうだよ。でも今日は誰かさんが無理して歩いてやって来てたら嫌だなぁと思って」
「私のことですか」
「小夏以外にいるわけないでしょ。とにかく乗ってください」
「はーい」
昨日と同じように助手席側に乗り込むと、運転席に座った諏訪野さんが後ろの席へ手を伸ばして薄手の上着を取ると私に渡してきた。
「これ、大きいかもだけど着てて。あとポケットにマスクも入ってるから。車の中は乾燥するから付けてて」
「ありがとうございます……こんなによくしてもらって」
「いいんだよ。僕がしたくてやってるだけなんだから」
「それでもありがとう」
私が笑顔で返すと、諏訪野さんは私の頭の上にポンと手を置き、その後優しく撫でてくれた。私は黙ってそれを受け入れる。それでも心の中はすごくドキドキしていた。
諏訪野さんは私のこと、なんでもお見通しみたいだけどこの気持ちだけはどうかまだバレていませんように。
「それじゃあ仕事行くかな」
「えっ。それって病院ですか」
「決まってるじゃん。僕は医者ですからね」
「ええ~。諏訪野先生は今日お休みかと」
「ずっと一緒にいようねって言ったじゃん。病院でね」
「完全に図られました!」
「図ったね」
ハハハと私が笑うと、諏訪野さんも笑う。
あんなに憂うつだった病院も諏訪野さんと居れるならまぁいいかと思ってしまう。
なんて単純にあっけなく変わってしまうものだろう。でもきっと世界なんて最初からこうだった。
いいことも悪いことも。これっぽっちの思いだけでも簡単に塗り替えられるんだ。
「諏訪野さん、歩いてきたんじゃないんですか」
「いつもはそうだよ。でも今日は誰かさんが無理して歩いてやって来てたら嫌だなぁと思って」
「私のことですか」
「小夏以外にいるわけないでしょ。とにかく乗ってください」
「はーい」
昨日と同じように助手席側に乗り込むと、運転席に座った諏訪野さんが後ろの席へ手を伸ばして薄手の上着を取ると私に渡してきた。
「これ、大きいかもだけど着てて。あとポケットにマスクも入ってるから。車の中は乾燥するから付けてて」
「ありがとうございます……こんなによくしてもらって」
「いいんだよ。僕がしたくてやってるだけなんだから」
「それでもありがとう」
私が笑顔で返すと、諏訪野さんは私の頭の上にポンと手を置き、その後優しく撫でてくれた。私は黙ってそれを受け入れる。それでも心の中はすごくドキドキしていた。
諏訪野さんは私のこと、なんでもお見通しみたいだけどこの気持ちだけはどうかまだバレていませんように。
「それじゃあ仕事行くかな」
「えっ。それって病院ですか」
「決まってるじゃん。僕は医者ですからね」
「ええ~。諏訪野先生は今日お休みかと」
「ずっと一緒にいようねって言ったじゃん。病院でね」
「完全に図られました!」
「図ったね」
ハハハと私が笑うと、諏訪野さんも笑う。
あんなに憂うつだった病院も諏訪野さんと居れるならまぁいいかと思ってしまう。
なんて単純にあっけなく変わってしまうものだろう。でもきっと世界なんて最初からこうだった。
いいことも悪いことも。これっぽっちの思いだけでも簡単に塗り替えられるんだ。


