新月の天使

こんなとき、柚葉ちゃんならすぐに止められるのに……。


って……柚葉ちゃんだ!トイレ2行ってから結構経ってるし、そろそろ戻ってくるかも……!



すぐに周りを見渡して、それらしき姿を探すと。



いた……!



キョロキョロ目を動かしながら歩いてくる姿を見つめていると、柚葉ちゃんも私に気がついて、駆け寄ってきてくれた。



「せーちゃん、お待たせ〜……って、あれ?中田くんじゃん」



柚葉ちゃんからの位置じゃ、和くんは背を向けているから顔が見えないけど、中田くんの顔は見えるから驚いてる。



「中田くん?どうしたのそんな怖い顔して」



ズンズンと歩いていって、和くんの数歩前に出たところで柚葉ちゃんが和くんの存在に気づいた。



「えっ……!?げ、原地くん!?なんでここに……!?」


「こんにちは〜。星那ちゃんのお友達?」



「はっ、はい……!ひ、日比野 柚葉です!」


「知ってる知ってる。おんなじクラスでしょ〜?」



「あたしのこと知ってるなんて……!」




柚葉ちゃんが両手で口を覆い、目を潤ませる。


さらに、和くんが柚葉ちゃんに向かってニコッと笑いかけたら完全に目をハートにしてしまった。



あの様子じゃあ、しばらくは戻ってこないかも……。



「ていうか、ずっと君と睨み合う時間、ないんだよね。てことで星那ちゃん、行こっ?」


「えっ?」




突然、ガシッと後から和くんに両肩を掴まれる。


そしてそのままグイグイと私を押す。