新月の天使

「それね……。ちょっと前に聞いたんだけど、あたしが好きな格好してるところが好きって言ってくれて」



「わぁ〜!すごくいい彼氏さんだね。それじゃあ、柚葉ちゃん好みで、柚葉ちゃんの魅力を最大限に引き出せる服を探そう!」




「ありがとう、せーちゃん!」






*    *    *    *



「いいのが買えてよかったね、柚葉ちゃん」


「うんっ!これで、ゆうくんのことメロメロにしちゃうっ」




ゆうくんが、柚葉ちゃんの彼氏の名前らしい。


柚葉ちゃんは小柄で可愛いし、優しいからきっと彼氏さんはメロメロどころじゃなくなると思う。



今日1日彼氏さんの話を聞いたけど、すごくいい人っぽい。


柚葉ちゃんを大事にしてくれそうだ。





「それじゃあ、帰ろっか」


「だね。けどその前にちょっとお手洗い行ってきていい?」



「もちろん。ここで待ってるね」





早歩きでトイレに向かう柚葉ちゃんに手を振って、壁に寄りかかる。




帰ったら何しようかなぁ……。


夏休みの課題もやらないといけないし、家事もやらなくちゃ。


あとは何があったかな。



うんうんと考え込んでいると。







「──────あれ、夢犀さん?」







え………?



下を向いていた顔をパッと上げる。



「っ……!」



なんでここに………




「……中田くん……?」




目が合うと、ニコッと爽やかな笑顔を浮かべた。