新月の天使

そして、久しぶりに彼女は一人で倉庫に現れた。



「おい、久しぶりに来たぞ……!」



「一週間ぶりか?」



「一体、なんなんだ、アイツ。幹部達とどういう関係だよ……!」


下っ端たちがヒソヒソと話していたが、倉庫内は音が反響しやすいため彼女に聞こえてしまったようで。

そのせいか、彼女は怯えたように一歩後ろへ下がった。


けれど、それを皮切りに……暴言が始まった。



「おい、幹部とどんな関係か知らねぇが、お前にみたいなやつが入ってくんじゃねぇよ!」



「そうだそうだ!部外者のくせに!!」


「ようやく来なくなったと思ったのに、何ノコノコやってきたんだよ!」


僕は何も言わなかったけど、それでも僕自身も同じことを思っていた。


………だから、たとえ総長の言葉を覚えていたとしても、星那という子に暴言を吐くメンバーを止めなかった。



明らかな敵意を徐々に表すメンバーに、流石に逃げる思ったが、まさかの泣き始めた。



それも、メンバーではない〝他の何か〟に怯えるように。


過去中のような感じになって、何度も小さく「いや」と言う。





これには、ただただ困惑するしかなかった。



一体どうしたのだろうか。何に怯えているの。




ただ遠くを見つめて荒く呼吸を繰り返す姿は、誰が見ても異常だと感じただろう。




流石にまずいと思って、どうにかしようとしたときに総長が現れた。




そこから和真さんや遥さんたちまで揃って、僕が説明を求められ。


……僕は同年代の人と比べて小柄だし、可愛い見た目をしているから舐められやすい。


案の定、星那も僕のことを不思議に思って和真さんにきいていた。



どうせ哀れみの目を向けられてると思ったのに、意外にも普通だった。


普通だったけど………まるで、僕のことを分析しているような。