新月の天使

でも……こんな事実を聞いたからといって、何かするわけじゃないよね。


倉庫内で起こったことだから事情知りたかっただけで、別にどうこうするわけじゃない、か。



そう思うと、胸の奥がきゅっとなる。


苦しくて……悲しくなる……。



なんでかまた涙が出そうになって、下を向いた。



すると誰かの足音が響いて、その足が私の前に止まった。




「星那」



瀬那くん……?



「星那、悪かった。こうなったのは、俺の管理不足だ。メンバーには罰を与える」


「ば、罰なんて……!私は本当に大丈夫。何もされてないし、青藍のメンバーが怖くて泣いたわけじゃないよ」





本当に、大丈夫。


私が弱いせいで誰かが罰せられるなんて、絶対にあってはならないことだ。



「だが………」



「もー!こうなったのは、星那ちゃんをちゃんと紹介しないで連れてきた僕たちの責任でしょ!」




瀬那くんの言葉を遮って、和くんが一歩前に出た。



和くんはきっと、メンバーが罰せられないように、私のことも気遣いながら自分たちが悪いと言ってる。


こういうところにも優しさが出てるなとつくづく思い知らされるよ。





「それにここ数ヶ月、誰の彼女でもない一般の女が青藍の倉庫を出入りしてるって他の族が目をつけてる」



……!

そうだったんだ。

私は族の間のそういう噂は調べないから気づかなかった。