新月の天使

確かに、瀬那くんにはその権利があるかもしれないけど……。


どうしよう……私が泣いたせいで、いろんな人に迷惑がかかってる。



「おい、悠(はる)。説明しろ!一体、何があったのか……!」



メンバーの中でも頭一つ分背が小さい人が肩を跳ね上げ、集団の間から出てきた。



「そ、ちょ……」



呂律がうまく回ってないし、その瞳は潤んでる。


更に、まさかの美少年だ。


体も震えていて、守ってあげたくなるような子だな……。




「……和くん、なんであの子が指名されたの?」




隣に立っていた和くんに、コソッと耳打ちする。



「ふふっ。あの子は悠っていって、皆より背が小さいし可愛い見た目だけど……特攻隊の隊長なんだよ?」



特攻隊の……隊長………!?


特攻隊といえば、他の族と戦闘するとき鍵になる役割の人たちだ。


すごく重要だし、信用できない人には任せられない、特別な役割。


あの子が特攻隊隊長……。




「全然そんな感じしないでしょ?でもね、悠くんは喧嘩すると性格変わっちゃうんだよ。それも、すご〜く凶暴になるんだ」



喧嘩すると性格が変わる……?


それに、凶暴って一体どんな風になるんだろう。


もし和くんが言っていることが本当だとしたら、特攻隊の隊長に選ばれるのは納得だ。


特攻隊は、思い切った判断のできる人が必要だと思うから、性格の変わった悠って子がベストってことなのかな。