ピピピピとアラームの音が鳴り、私に朝の訪れを知らせる。
聞き飽きた音に嫌気をさしながら、その音を鳴らしているものを手探りで枕元を探し、
ディスプレイに表示されているであろう停止ボタンを押した。
もうひと眠りしようかと迷いつつも、重い瞼をなんとか持ち上げた。
昨日、遅くまで映画を見ていたため寝不足だ。
最近学校で流行っている感動映画を見たため、そういうのに弱い私の目は見事に腫れてしまっている。
いつもの仕度に加え、冷水で目を冷やした。
「よし!」
準備を終え、鏡を前に一人気合を入れた。
「おはよー」
「おはよう。芙結」
「おはよう」
リビングに行くとお母さんが用意してくれたお弁当と朝食がテーブルに並び出していた。
お父さんは、みんなの箸を並べてコップに麦茶を注いでいた。
朝食の準備が終わると3人でテーブルを囲み、手を合わせた。

