「芙結ちゃん、可愛い名前だね!」
そんな私を気遣ってか、席替えで隣に座った男子が話しかけてきた。
「あはは、ありがとぅございます。」
「芙結ちゃんは彼氏いたことあるのー?」
「な、ないです。」
別に見栄を張る必要もないと思って正直に答えた。
そんなことより、太腿にくっつけてきている足を離して欲しい。
絶対わざとだ。こんなの合コン経験者じゃなくても分かる、
おかしいよ、距離感。いや、合コンでは普通なのか?
いやでも!私は無理!
離そうとしてもどんどん追い込まれて言ってる感。
助けて、桃、花梨!
目線を向けてみるものの、2人は自分の事に夢中。
はぁ〜あ、勘弁してぇ〜
「ねぇねえ、このまま2人で抜け出しちゃおうか」
ゾワッッッ
耳打ちをされて鳥肌が立った。
「すみません、少しお手洗へ」
「ん、おっけー」

