モテ王子とのルームシェア、お断りします

わざとやってる。



学校でそれやるのはズルい。



学校では王子様みたいだからって。



や、やめてよ。



どうすればいいかわかんなくなっちゃうじゃん。



「えっと…」



ゆっくりと頭の中から言葉を探す。



「うん、ちゃんと聞いてる」



考えている間にも渚くんはまっすぐ私の目を見てそんなこと言ってくる。



「料理ができて、たまに優しいとこ…かな」



周りが聞いていないことを願いながら小さな声で伝える。