「あいつ今日も作ってるよ…、何コ作る気なんだよ。いいかげん飽きたわ……」
「でもよ、毎回嬉しそうな顔で渡してくるから断れねーんだよな…」
「まず断ったらカシラに殺されそうな恐怖もあるからな。矢野さんも大目に見てるし、ニコのバック強すぎんだよ…」
ほら、みんな楽しみに待ってくれている。
こんなにも簡単な素材で飴が作れちゃうのなら、お母さんにもあげたかったな…。
べっこう飴を完成させて楽しみにとっておく間に、今度はお掃除。
「うわっ!ニコおまえ、まだここ掃除してんのかよ!踏んづけちまいそうで怖いんだって…!」
こいつはジロー。
“こいつ”でいいってゆーみも言っていたから、こいつ。
「そりゃおまえだって母親の代わりに働いてるだけで、こんなこと本当はやりたくねーだろうし同情するけどよ…、……なあ、ほんとになんも聞こえてねーの…?」
「……?」
「…カシラは一体なにを考えてんスかねえ」



