昨日のひとたちだ。
見慣れない広々とした部屋は、大きなベッドからお庭が見える。
敷かれた石畳と手入れされた盆栽。
葉っぱや木の匂いの正体はたぶんコレだと。
ここ……、どこ………?
昨日はあれからどうしたんだっけ……?
パチパチとまばたきをさせていると、目の前に電子パッドを見せられた。
【おまえはここで今日から働くんだよ】
働く……?
お母さんは……?
はやくお家に帰らないと、お母さんの機嫌を損ねちゃう。
ぶわっとまぶたいっぱいに浮かんだ涙を、目の前の彼はじーっと見つめてきた。
「……ぅ…、ぁ」
きれいな銀色。
昨日見た色とおなじはずが、違うものにも見える。
なにを考えているのかいっさい読めない分からない目を、この人はするときがある。
まっしろだった世界に突如現れた、それは似ているようで別の色。



