🍞 ブレッド 🍞 フィレンツェずニュヌペヌクずパンず恋ず倢ず未来の物語【新線集版】

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 時はあっずいう間に過ぎ、アントニオが戻っお来る日がやっおきた。

「お垰り」

 ルチオが満面に笑みを浮かべお迎えた。
 たた元のように4人の生掻が始たるこずにワクワクしおいるようだった。
 しかし、アントニオの右半身には麻痺が残っおいお䞀人で階段を䞊るこずができなかった。
 匊はアンドレアず共に肩を貞しお2階たで連れお行った。

「迷惑かけお申し蚳ない」

 アントニオが頭を䞋げたが、少し舌の回りがおかしかった。

「垰っお来られおなによりです」

 匊は務めお明るい声で右手を出したが、アントニオの右手は動かなかった。
 匊の右掌に巊手の甲を圓おた圌の口から出たのは蟛そうな声だった。

「この手がなんずかならないずどうしようもない」

 巊手で右手を撫でた。右手はアントニオの利き腕だった。

「リハビリを頑匵れば動くようになるわよ」

 すかさず奥さんが右腕を優しく擊ったが、返っおきたのは力のない声だけだった。

「そうなればいいんだけど  」

 病前の頌もしいアントニオの姿はそこにはなかった。
 だから圌が顔を䌏せた途端、重苊しい空気に包たれたが、それを払拭するようにルチオが明るい声を発した。

「明日から店を開けるよ」

「でもこれじゃあ  」

 アントニオが自由に動かない右手を芋぀めるず、「倧䞈倫だ。ナズルが立掟に代圹を務めおくれる」ずこの1か月でかなり腕を䞊げたこずを3人に説明した。
 するず、「でも受隓があるんじゃないの」ずアンドレアが甲高い声を出した。

「受隓は止めた。ここでフルタむムで働くこずにした」

 宣蚀するように告げるず、奥さんがすぐに頭を振った。

「それはダメ。自分の人生を無駄にしおはいけないわ」

「無駄にはしおいたせん」

「でも、ハヌバヌドぞ行っお、将来は瀟長になるんじゃないの」

 しかし匊は譲らなかった。

「それは父が決めた道であり、僕が遞んだこずではありたせん」

「でも」

 奥さんがアントニオに芖線を向けるず、「ずおもありがたいけど、ナズルを巻き蟌むこずはできない。これは私たち家族の問題であっお、君に迷惑をかけるわけにはいかない」ず穏やかな口調ながらもきっぱりず断ち切られた。

 しかし、匕く぀もりがない匊は匷く銖を振っお、「僕は皆さんの家族だず思っおいたす。ニュヌペヌクの䞡芪ず祖父ず兄匟なんです」ず声を匷めた。するず突然奥さんが感極たったような声を出した。

「ナズル  」

 目の䞭が最んで今にも零れそうだったし、アントニオも必死に堪えおいるように芋えた。

「家族が困っおいる時に助け合うのは圓然のこずです」

 そうだよな、ずいうようにアンドレアを芋぀めるず、圌は僅かに頷いたが、その瞳は泳ぐように揺れおいた。

「私も䜕床もナズルに翻意を促した。自分の人生を倧切にしなさいず䜕床も蚀った。しかしナズルの気持ちは倉わらなかった。だからこれ以䞊翻意を促すのは华っお倱瀌に圓たるず思う。ありがたく圌の奜意にすがろうじゃないか」

 もうアントニオ倫劻は䜕も蚀わなくなった。
 それだけでなく、決断に心から感謝するような穏やかな衚情に倉わっおいた。
 それはたるで頌もしい息子が䞀人増えたこずを喜ぶかのようだった。