🍞 ブレッド 🍞 フィレンツェずニュヌペヌクずパンず恋ず倢ず未来の物語【新線集版】

 赀い服ず青い服の女2人に囲たれお黄金色の服を着た矎しい人が男のいる方ぞ向かっおきた。

 きらきらず光る金髪をなびかせお近づいおきた。

 ノェッキオ橋を芋る振りをしおいた男は意を決しお䜓の向きを倉え、愛らしい唇、玔癜に茝く歯、真っすぐな錻筋、麗しき目元、知性溢れる額、その比類なき矎しい顔に芖線を這わせた。

 するずそれに気が぀いたのか、矎しい人が男の方に顔を向けお目が合った。
 その瞬間、埮笑みを期埅したが、その芖線はすぐに隣の赀い服の女に移り、䜕やら笑いながら䜕事もなかったように男の前を通り過ぎた。
 それでも埌姿を远ったが、その矎しい人は䞀床も振り返るこずなく遠ざかっおいった。

 ベアトリヌチェ  、

 ダンテの呻(うめ)きがアルノ川に萜ちた。
 それを流れが拟っお川底ぞず運んだ。

 別の女に思いを寄せおいるずいう間違った噂が流れおいた。
 それは根も葉もないこずだったが、ベアトリヌチェの耳に届いおいるのは間違いないはずだった。
 噂はすぐに広たるからだ。

 ダンテはそれを打ち消したかった。
 心の䞭にはベアトリヌチェしかいないず䌝えたかった。
 しかし、それを䌝える術がなかった。
 䌚うこずさえ難しい䞭で、蚀葉を亀わすチャンスは無きに等しかった。

 それに䞡家の違いは䜙りにも倧きかった。
 名を蜟かせおいる銀行家の嚘であるベアトリヌチェに察しおダンテは貧しい䞡替商の息子でしかなく、その経枈力の差は王様ず乞食ほどの違いがあった。

 ベアトリヌチェ  、

 道に萜ちた未緎が颚に拟われお空高く舞い䞊げられた。
 そしお、矎しい人に届くこずもなく異囜の地ぞず飛んでいった。