男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました

「えー、指輪はオットーから奪いました」

 どういうこと⁉︎

「オットーってば全然会いに来てくださらないし、魔塔の仕事とリーチェ様の香水事業の仕事でいつも忙しそうで……そもそも私は魔塔に侵入することすら叶いませんのんで、私がオットーを呼び出せるようなものをよこせ! って言いました」

 確かに魔塔は魔法使いや錬金術師以外は入れないようになっている。
 ってかマリーゴールド、今魔塔に侵入するとか言わなかった? そもそも指輪をよこせって言ったの? 伯爵令嬢が? それって、表現おかしくない?
 マリーゴールドの言葉のチョイスが、以前にも増してひどくなってる気がするのだけど、これってオットーのせいなのでは?
 このチャラ男、マリーゴールドに悪影響しか与えてないんじゃない……?

「ですがこれは元々オットーのものでもなく、魔塔の魔法使いの方が作ったものをオットーが奪ったみたいです」

 ウフッて笑いながら言ってるけど、それってオットーのものでもないんじゃん。泥棒じゃん。
 マリーゴールド、泥棒のものをあなたも掻っ攫ったのなら、それは泥棒の片棒を担いでる状態なんだけど、気づいてる?

「婚約の時にはちゃんとした指輪、くださるのですよね?」

 マリーゴールドはそう言って、背の高いオットーを見上げている。まるで子犬のように一途にオットーを見つめる彼女は、想像を絶するほどに愛らしい。