男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました

 心臓発作でも起きそうなほどショックを受けるけど、でもマリーゴールドと一緒にいることが増えたおかげで、それも徐々に慣れてきた。

「レオンが言うには、処刑するのは簡単だからしないらしいです……」

 すごい理由だなと私は思ったのだけど、マリーゴールドは「それもそうですわね……」なんて言いながらうんうん頷いている。
 結局私が気を失った後、キールはレオンの手によって捕まり、裁判にかけられた。
 キールが上位貴族であり尚且つ数少ない公爵家の人間という理由から処刑は免れたが、レオンが言うには……。

『闇に乗じて殺すことは容易です。リーチェを誘拐したのと同じような手口を使えばいいのですから』

 そう言って表情皆無な能面フェイスで彼は淡々と言ってのけた。

『そもそもあなたをあんな目に合わせたのです。死ぬなんて安直な選択肢はさせません。生きてることが辛くて、一層のこと殺してくれてと思わせるような地獄をこの世で味合わせるつもりです』

 そう言った後、レオンは私に甘いキスをした。彼の言った言葉は何一つ甘くないと言うのに。
 現在は独房に入れられ、財産も地位も全て剥奪され、男性としての機能を果たせない体にされたとか……それ以上聞くのは悍ましくて、私はキールの事について事細かく話を聞くのはやめた。

「……しかしリーチェ様、今ではバービリオン侯爵様のことを呼び捨てで呼んでいらっしゃるのですね」

 しまった! そう思って飛ばしていた意識を戻し、私は目の前にいるマリーゴールドに目を向けた。