男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました

 全ての答えが出た。

 私がずっと欲していた答えが、やっとレオンの口から聞くことができた。
 それなのに、私の心に虚しさが広がるのを抑えられずにいた。
 長い間待っていた言葉を聞けてホッとすると思っていただけに、意外な自分の感情の動きに思わず笑みが溢れた。

 ーーああ、脳内お花畑だったのは私もか。

「やっと素直に答えてくださいましたね。やはり私が見たビジョンは正しかったという事が証明されました」

 虚しさを感じているしショックも受けているけれど、それは涙を浮かべるほどではないし、ましてや自殺をしたいと思うほどではない。
 だってわかっていた事だから。
 だからこそ感情の動きを感じてもそれを最小限で抑える事ができたし、その感情に振り回されるような行動は起こさない。
 私はずっと、この日のために心の準備をしてきたのだ。

 ……けれど、そうやって準備をしていたのも全て自分の身を守るため。心を砕かないようにバリアを張るため。

 だから私はずっと、レオンが何度も聞いてきた”私は本当はレオンのことをどう思っているのか”という問いに答えずにいたんだ。
 保身にはしって、彼に振られるのが怖くなった。振られるのが分かっているのに、自分の気持ちを打ち明ける勇気なんてなかった。