男主人公が私(モブ令嬢)の作る香水に食いつきました

「……どういう意味で言ってるのか、分からないのだが?」
「私は侯爵様の考えが分かりません。なぜ私にそうまでして執着しようとなさるのですか?」
「……そうやってまた、会話の堂々巡りを繰り返すつもりか?」

 言葉に棘を感じる。それが私の胸にもチクンと刺さった。

「マリー様と出会ってからは、いつだって侯爵様は本心を言わないではないですか」
「だからそれもーー」
「あの香水だってっ!」

 私はレオンの言葉をぶった斬る。今回は私が話す番だ。もう黙ってなんてやらない。もうどうだっていい。なんだっていい。
 ここまで馬鹿にされて拗れて、惨めな気持ちになるのであれば、いっそのこと全部吐き散らかして、その上で嫌われてしまえばいい。

 同情なんていう安っぽい感情で、私と一緒にいて欲しいわけじゃない。
 そんな陳腐なものにすがって、彼らの未来を閉ざしたいなんて思わない。
 だからこそ……綺麗さっぱり全部吐き捨てて、言葉通り私はレオンに捨てられればいい。
 むしろ私に捨てられたように、彼には思わせればいい。
 だからもう、口は閉ざさない。
 感情は殺さない。